公正証書遺言をオススメする理由

公正証書の遺言は、公証人が作成するので、ご自分で文字を書くことができなくても書きたい内容を公証人に口頭で伝えれば作成してもらえます。

自分の名前だけは、署名する必要があるのですが、病気等で署名することも難しい場合には公証人が代署してくれます。

自筆証書の場合は、必ず「自書」が要件なので、字が書けないのであれば作成することはできません。

自筆証書の場合はどうしても信憑性が薄くなってしまいます。

例えば、
「本当に本人が書いたのか？誰かに書かされたんじゃないの？」

「この遺言書の日付当時は、もう認知症で遺言なんて書ける状態じゃなかった」

といった感じです。

この遺言書の効力を争うために裁判なんてことになると大変問題です。

その点、公正証書であれば、公証人・証人の立ち会いの元に厳格に作成されるので信憑性が高く、争いになる可能性が低いです。

検認の必要がないというのも大きなメリットです。

自筆証書であれば、遺言者の死亡後、遺言書を開封せずに家庭裁判所へ必要書類を揃えた上で持っていき、手続きしなければいけません。

手続きも一ヶ月以上はかかると思って下さい。

公正証書遺言であれば、そのような手続きは不要なので、そのまますぐに公正証書遺言を使って実際の相続手続きを進めていくことができます。

自筆証書であれば、保管は自分でするので間違えて捨ててしまうことも考えられます。

また、見つからない場所に隠してしまうと、誰にも発見してもらえず、遺言書を遺した意味がなくなってしまいます。

誰かにこっそり内容を書き換えられてしまう可能性もあります。

公正証書遺言であれば、遺言書の原本は、公証役場に保管されるので、紛失や偽造されたりする恐れもありません。

「遺言検索システム」という便利なシステムもあるので、相続人等であれば公証役場で故人の遺言書があるのかどうか調べてもらうこともできます。